会長&スタッフブログ
2020.12.28
安全弁のお話
先日イラストのNo,78 D52を描いた時のお話。
私は発車間際の機関車の迫力を出すため、安全弁から勢いよく蒸気を噴出させることにしました。
はて、安全弁が噴く時、前、後ろどっちが先だったかな?と、一瞬迷ったのですが、
何となく後ろからだったような気がして、後ろの弁から噴出する姿を描きました。
しかし、もし前からならウソを描くことになりますので、何でもよく知っている大阪のS君に訊くことにしました。
メールで返信があり、調べてくれたところ前からということでした。
私は間違っていたのかとイラストを訂正したところ、、、
S君から後報があって、後ろからだと。。。その根拠はS君撮影のD52の写真で、しかも北海道の201号機。
私のイラスト136号機と同じく密閉キャブ改造の機関車です。
S君が調べてくれて前からという結論でしたが、写真では後ろ! 一体どうなってるの?
かくなる上はプロ中のプロ、宇田賢吉さんに聴いてみようと電話しましたところ、前であると断言されました。
ここからは宇田さんのお話しです。
「安全弁は使用圧力が16Kg/㎠の場合、缶圧が16,3Kgになった時、第一安全弁である前の安全弁から圧を抜きます。そしてもし16,5Kgになった場合には第二安全弁である後ろの弁から圧を逃がします。しかし、16,3Kgで第一安全弁から圧を逃がすと、16,5Kgにはならないので、第二安全弁から蒸気が噴出することはない。」とのことでした。
そこで私は、S君の写真の件を訪ねたところ宇田さんは、
「安全弁の作動が第一、第二と言いましたがこれには規定が無いので、何らかの理由が有れば、その順番を設定変更することは出来ます。第二から先に噴出させる設定変更は可能でしょう。北海道のカマが、何らかの理由で設定変更されていたのかどうかは解りませんけど。」とのことでした。
北海道では現場の要望、あるいは整備改造などを一手に引き受けていた苗穂工場独自の何らかの理由で、設定変更がなされていたのでしょうか?
道ガマの、そのあたりの事情に詳しい人がおれば、お聴きしたいと思っているのですが。
何れ正解が解れば、またご報告したいと思います。 一般の人からすれば、どうでもいいことなのでしょうが、気になり出したら仕方ない。。。
で、とりあえずイラストはどーします? このままでは、年が越せない。。。
S君が送ってくれた201号機の写真をアップしますのでご覧ください。 確かに後ろの弁が噴いていますね。 長万部発車の名作です。