社長&スタッフブログ

2013.08.21

夜明けのインディア 後編

 いや~・・・

スミマセン(笑)

実は仕事のトラブルでブログどころではなかったというのが言い訳です。

もうこのまま後編が立ち消えになるのではないかというくらいに、それどころではなかったです。

そんなことを言っている間に、実は6月の末から7月にかけてこれまた大阪府工業協会様企画の【ロシア日系企業視察】に行ってきました。

本当に大忙しです。

もちろんインド編の次はロシア編が控えているわけで.... 簡潔ですみませんが、とりあえずインド編最終回です。




さて、インドのバイク事情ですね。 それに絡めて、前編、中編では書けなかったこともまとめて書いていきたいと思います。

中間層が爆発的に増え、自動車の数が増えつつあるといっても、やはりインドの町で見かけるのは車よりバイクの数が圧倒的に多いです。

悪路が多い広大な土地を自転車で移動するのはさすがに距離的、体力的に限界があります。

自動車は年収の何倍もするからとてもじゃないけど手が出ません。

電車はいつ何時、駅に到着するかわかりません。




なので、インド人が最初に目標とするのが【バイク】です。

途上国で『バイク』といえばだいたい100cc前後のタイプをさします。(50ccは日本以外ではまったく見ません。)

これがインドではだいたい7万円くらいします。

現地一般ワーカーの所得から算出しますと、おおまかですが、給料の6か月分に相当します。

おいそれと手が出るものではありませんので、もちろん月賦でバイクを買うわけです。つまりローンです。

バイクを手に入れたら、より給料のいい所へ、より遠くまで足を伸ばすことができます。 豊かになるための第一歩はバイクから始まるということですね。




さて、インドのバイク事情をもう少し視野を広げて見てみましょう。

そもそもインドにはアシ用のバイク以外存在するのか・・と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際のところどうなんでしょう。

実は、インドにもまだまだ小さいですが、『アシ以上』のバイク市場というものはちゃんと存在します。

例えば、今回訪問させていただきましたホンダ様を例に出してみますと・・

ラインナップとしては110cc、125cc、150cc、250ccという4種類の排気量を生産しています。

メインで製造しているのは110ccと125ccになります。

趣味的要素が濃いラインはというとやはり150cc以上。 【CBR150R】が約18万円、【CBR250R】が約23万円だそうです。
 
ちなみにCBR250Rの生産台数は年間通しても約1万台ということです。 これはホンダのインド工場での全生産台数の内の0.5%以下という数字です。 市場としてはまだまだ未成熟といえ
ます。

そしてそのCBR250Rとは少し趣が違いますが同じカテゴリーとして競合するのが、【ロイヤルエンフィールド】です。

さすが、生まれ故郷だけあってインドではそこそこの数を目撃しました。

インドでは(というか、世界共通?)300ccと500ccのラインナップがあります。

インドの街を俳諧している時に、小型二輪とは一味違う歯切れのよいサウンドが聞こえたならばそれはまさにエンフィールドといって間違いないでしょう。

日本では珍車扱いでほとんど見ることはありませんが・・なかなかイイ味出していました。 価格帯はホンダCBR250Rと同価格~それ以上と高めとなります。

さすがにロイヤルエンフィールドともなるとボコボコの状態で乗っている人はほぼ皆無で、小奇麗な装いの小金持ち風なライダーが多いように感じました。

ではさらに「上」の超高額バイクはどうでしょう。




実は本視察でダイキン工業㈱様に訪問するその道中で、ハーレーダビッドソンのロゴがデカデカと書かれた巨大な倉庫らしき建物を発見しました。

「おお!!こんなところにハーレーが・・!(笑)」 ハーレーダビッドソンといえば泣く子も黙る高級バイクの代名詞です。

至ってローテクなV型二気筒のエンジンから放たれる独特の排気音と荒削りなエンジンの鼓動感に魅了されるファンは世界中に存在します。

しかし・・・日本でも100万円以上するようなリッチなバイクがインドで走っているんでしょうか。

私がいる間はインドでハーレーは1度も見ませんでした。

しかし、インドにもハーレーはあるんですね。 例えば日本でもおなじみの【スポーツスター】なんかはすでにインド国内で組み立てされています。

この現地組み立て方式は、完成品を本国アメリカから輸入した場合に比べ、関税を30%~40%低く抑えられるようでして、ハーレー社は今後もインド現地組み立ての車種を増やしていくとのこと。

今後は周辺の途上国などにもインド製(組み立て)ハーレーが輸出されていくのでしょう。

近い将来、インド製ハーレーが日本市場にやってくるかもしれません。(それはそれでなんか違う気がしますが・・)




ちなみにインドにおける大型二輪(750cc以上)の市場はまだまだ未熟で、販売台数も2012年の4月~9月期を見ましたら805台と、人口比率からすればとても小さなものです。

しかし、先にも言いましたとおり成長率がもの凄く、2012年の伸び率は前年比77%という驚異的なものです。

これから先、成長率はうなぎのぼりになるのは言うまでもありません。

この市場拡大に乗り遅れまいと、前述のハーレーしかり、日本のメーカー、ドイツ(BMW)、イタリア(ドカティ)と、次々にインド市場に本腰を入れつつあります。

また、イギリスのトライアンフも活性化するインド市場を取り込もうと人気車種の【ボンネビル】を販売する計画だそうです。

 
ちなみに日本で売られている【CBR250R】はタイ製で、それに比べるとインド版の価格はタイ製の半額以下です。

これがいわゆる『インド仕様』というもので、二輪や自動車で共通していえることなのです。

例えば、樹脂やゴム系の部品においてはコストダウンを図るために品質を厳しく管理していません。 真冬でも0℃を下回ることがないインドでは対候設計を日本より「ユルめ」に設定して製造しています。

わかりやすく言えば、日本仕様では「-40℃~100℃」という幅広い温度帯に耐えたれるように設計されているパーツを、インド仕様においては「0℃~100℃」で設計されているということです。

こういった「現地にあわせた仕様」が商品単体のあらゆるところにちりばめられ、コストダウンにつながっているのです。

そりゃもちろん、見た目が日本のものとまったく同じ車種であっても・・断然日本製よりかは品質は劣ります。

しかし、途上国の人にとって車の故障は日常茶飯事。

壊れたら自分で直すのが基本です。

ちょっとした故障などあまり気にしないのがインド人です。




2012年の日本国内の自動車販売台数は536万台(軽自動車含む)でした。 一方、二輪の新車販売台数は250cc以下のすべての区分を併せても40万台弱という数字です。

単価においては圧倒的な価格の差があるのにも関わらずです。

この数字を見るだけでも、ここ日本においては単なるアシ用として二輪を買う人などほとんど限定的だといわざるを得ません。

先進国において自動車は価格的に【高嶺の花】ではないですし、安全性、積載性、身体的負担を考えても自動車1台を買ったほうがよほど実用的です。




「バイクが趣味だ」といえる人というのは世界広しといえども実はとても少数派。 先進国の、しかも限定された人といっても過言ではありません。

逆に言えば、それ以外の人はほとんどすべて「バイク=移動用のアシ」という人たちになります。 ここの層をいかに攻めていくかで、市場のパワーバランスが決まるといっても過言ではありません。

やがてその国の人々がアシ用バイクから趣味的バイクに移行したとき、過去の結果がいきてくるでしょう。

「俺は昔からこのメーカーのバイクが好きなんだ」と。

インド人の傾向として、実は車にしろバイクにしろ最新のモデルに飛びつくという例は一般的ではなく、5年・10年と安定して人気がある車種を選ぶ傾向にあるそうです。

ここがインド市場を攻める上で非常に難しいところで、1年や2年の短期間ではなかなか現地のニーズに合っているかどうかという判断がしづらいということです。

『安くて高品質だがブランド力が弱い』と言われる日本のメーカーはこのインド市場の特性をよく理解した上で、安定したブランド力を確立していかなければなりません。

その代わり、一度育った芽は確実に大きくなります。 インド人のように焦らずゆっくりと育てることが重要です。


 
さて、いかがだったでしょうか?インド視察記。

インドは歴史が古く、その長い歴史のなかで形成され昇華してきた独自の文化・習慣が現代においても根強く残っています。

それが良いことに働くこともあれば、負のほうへ引っ張られていくこともあり、これがインドにおける【諸刃の剣】になっていることは間違いありません。

インドが先進的な国を目指すのであれば、負の部分については一つ一つ変えていかなければなりません。 それらを実行し、変えていくのは他の誰でもないインドに住む人々です。

あらゆる課題をすべて克服した時、インドの夜明けは今より一層輝きを増すことになるでしょう。

以上、イッセイのインド見聞録、これにて終焉です。

ご清聴ありがとうございました。


 
 
タージマハルにて。
 
次回はロシア視察記です。
8月中にアップすることをお約束します(笑)
 
 
 
 
イッセイ

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