会長&スタッフブログ
2012.01.30
ケータイマナー考察
私には、ケータイショップ(a社)で店長を務めている友人がいます。
その友人が年末に
「そろそろスマホに替える予定ない?」
という連絡をしてきました。
私は即答で
「ない。超ない」
という味気ない返事をしました。
しかし、食い下がる友人。
「そんなこと言わんと!色んな機能あるし便利やで!なによりカッコイイ!」
と言って、さらにセールスをかましてきます。
ノルマが厳しいのか・・・?
結局、
「また必要になった時はよろしくな」
と伝え、おとなしく引っこんでもらいました。
・・・だって「スマートフォン」ですよ?
スーツをパリッと着こなしている丸の内のホワイトカラーが使いこなすっていうなら「サマ」にはなりますが、私のような手が油まみれの現場人間の立場では、偉大なるスマートフォン様の画面に触れることすら憚られます。
それに、スマホが便利なのは百も承知ですが、まだまだ未成熟な部分があるなと感じるのも事実です。
私はまだまだ「ガラケー」で十分かなといった感じです。
ちなみに今の機種は3年近く使用しています(笑)
さて、前置きが長くなりました。
本日のブログは、年末年始にユーザー様のところにお伺いした際、移動中の新幹線の中でふと疑問に思った「ケータイマナー」について書き連ねたいと思います。
「電車の中でケータイを使うことにどういったマナー違反の要素があるか?」ということを深く深く考えてみました。
電車に乗っている最中にケータイに電話がかかってきたとします。
「あ、ハイ、今電車の中ですのでまた降りたらこちらからかけなおします。」
多分、電車の中で電話に出ることがマナー違反だという認識がある人は、その場でとりあえず、後でかけなおすことを伝えて電話を切ると思います。
たしかによく見る光景です。
しかしです。
その横にいるおばちゃん3人組が車両内全体に響き渡るバカデカい声で世間話をしているとしたら、他の乗客にとっては果たしてどちらが本当の意味での「迷惑」にあたるでしょうか。
不思議だと思いませんか?
おばちゃん達が大きな声で喋っている場合、せいぜい「声がデッカイおばちゃんやな~」と、思うだけで、世間的には【マナー違反】とは言わないハズです。
しかし、ことケータイに関してはいくら小声で周りに迷惑がかからないように話をしても【マナー違反】というレッテルを貼られてしまいます。
足踏みしたり床を転がるわけではありません。
会話自体は省スペースで行えます。
そこそこ混んでいる車内で、新聞をおっぴろげているサラリーマンのほうがよっぽど迷惑ですがこれもいわゆる【マナー違反】にはあたりません。
「何人も電車内では無言に徹すること」というような法律があるわけでもないのに、ケータイに出ることが悪になる理由などないと思うのですが・・。
なぜそうなってしまったのでしょう。
まず、携帯電話普及期に車内であったこの放送・・
「携帯電話のご使用はペースメーカーの誤作動を引き起こす恐れがありますので、電源をお切りくださいますようお願いします」
聞き覚えがあると思います。
そう、車内での『ケータイ禁止発令』はもともとペースメーカーの誤作動を防ぐという目的でマナー化したものだったハズです。
しかし、通常の使用において、ケータイの電波で心臓に埋めてあるペースメーカーが誤作動を起こすなどということはまずあり得ないないということがわかりました。
(数センチの距離にまで持ってこれば誤作動の可能性もあるということだそうですが、その場合、まさに心臓の真横とかそんなレベルの話だそうです)
ここで一つの「歪み」が生じました。
毎日毎日電車で通勤するお父さんを例に・・
呪文のように脳に刷り込まれた車内マナー条項の中から、いつの間にか「ペースメーカー」という単語が置き去りになり「電車の中で電話に出ることがいけないんだ!」という認識に切り替わってしまったと思われます。
一方、鉄道会社はどうか・・
携帯電話普及期から10年以上にわたって「携帯電話のご使用はペースメーカーの誤作動~」云々という放送を流し続けて、『車内ケータイ=マナー違反』というルールを作ってしまった手前、いまさら車内ケータイを『合法化』するわけにもいかず、とりあえず「周りのお客様に迷惑となりますので・・」という文言に摩り替えて、体裁を整えているというところでしょう。
つまりペースメーカーの誤作動を防ぐという目的での【マナー違反】だったのですが、その大義名分がなくなった今、「車内でのケータイそのものがマナー違反ですよ!」ということにしちゃったわけです。
ケータイにだけに限定して車内放送をしているこの現状・・ハッキリ言ってしまえば『車内ケータイ=マナー違反』の図式は何の根拠もないということがわかります(笑)
しかし・・!
車内でケータイに出られベラベラ喋られるとイラッとします。
相手はむしろ普通の会話の声より小さい声で喋っていますが・・それでも私たちはイライラします。
なぜでしょう。
ここからは私の単なる憶測です。
イライラする理由、それはズバリ、「第三者目線では、それが会話として成立していないから」だと思います。
つまりデカイ声で喋っているおばちゃんたちの会話に関しては、双方のやり取りがしっかり聞こえるわけであって、聞きたいか聞きたくないかは別にして一応内容は判別できるので耳に入ってくる内容はシャットアウトすれば済みます。
しかし、一方の会話しか聞こえない場合・・電話で話している本人以外の周りの人間は『蚊帳の外』状態なワケです。
例えば、自分とA君とB君の3人で食事に出かけたケースで言いますと・・小学時代から仲良しのA君とB君が小学校の時のことについて話をし出したら、こっちはどんな気分になるでしょう。
自分の知らないことで2人の間で勝手に盛り上がられると、おもしろい・おもしろくない以前に不愉快になると思います。
まさに『蚊帳の外』です。
それと同じような現象が「ケータイで会話する人」・「それ以外の周りの人」という形で再現されているのではと思うのです。
実はウォークマンが出たての頃に、今述べました【車内ケータイマナー事情】に似たようなことを体験したという方がいらっしゃいました。
その方曰く、「電車内ではウォークマンの使用を控えましょう」という暗黙のマナーが確かに存在していたというのです。
表向きはイヤホンから漏れるシャカシャカ音が周りの乗客に迷惑になるという大義名分だったそうです。
しかし実際には英会話のリスニングテープを聞いているだけなのに注意をされたりとか、電池が切れてそのまま耳にイヤホンを差しただけという状態にもかかわらず、肘で小突かれたりしたとか・・。
平成の今、こんな意味不明なことで注意でもされようものなら、場合によっては流血の惨事が展開されることは容易に想像できます。
ケータイの話にしろ、ウォークマン話にしろ結局は
「 電 車 内 で 他 の 人 と 違 う こ と を す る な 」
ということなのでしょう。
余談ですが、車内で【ゲームボーイ】をするのもマナー違反だと考える人もいるようです。
音が鳴っていなければ誰の迷惑にもなっていないんですから「マナー違反だ」なんて身勝手な持論を振り回される筋合いはありません。
もしそんな人に出会った場合、こう言ってあげるのはどうでしょう。
「これ、電池で動く文庫本なんですよ」
ちなみに外国では、電車内でも飲食店でもケータイは当たり前のようにみんな使っています。
私が知る限り「公共の場で電話を使ってはダメ」なんて言ってる国は日本しか知りません。
ケータイの機能が特化しすぎて世界の舞台ではまるで通用しないという日本のケータイ機種。
特異な進化をとげた日本のケータイ事情を諸外国では「ガラパゴス諸島」と呼んでいるそうです。
実はマナーにおいてもガラパゴス的な要素が垣間見える日本のケータイ事情です。
今回はそんな日本独自のケータイカルチャーについて私目線で語ってみました。
ではでは。
イッセイ