2021.05.10
今回のイラストもまたまた私の好きなC58ですが、C58はC58でもネームプレートの形式と製番との間にハイフンの入ったいささか変わったC58です。
北海道のほぼ中央、大雪山国立公園の西側に位置した芦別鉱山、三井芦別炭鉱で活躍していた、言わば私鉄版のC58で、国鉄型制式機とはかなり趣が異なります。
まず、C58の大きな特徴である給水加熱器が煙突の前にないことと、このイラストでは分かりませんが非公式側に給水ポンプが無くランボードがキャブまで一直線というすっきりとしたスタイルになっています。1946年汽車会社製のいわゆる戦後型のC58は8-20船底テンダー装備となっていますが、三井芦別鉄道のC58は1946年製ですから、国鉄型同様に船底テンダー機となります。 烏帽子型デフ、密閉キャブ、船底テンダーと、給水加熱器が無いので、まるでC57の4次型ですね。
三井芦別鉄道にC58は1号機2号機とが2輌在籍しており、石炭輸送に1971年までの20年余り活躍します。
2号機は廃車後、幸運にも芦別の温泉保養センターにおいて保存されていましたが、その後、施設の廃館に伴い建物と共に解体されてしまい、誠に残念な運命となりました。
私は、国鉄の路線には数多く撮影に足を運びましたが、私鉄、専用線を訪問することはあまり有りませんでした。
蒸機時代、北海道には3回渡っていながら、この芦別のC58は、天塩鉱業のC58と共に、今さらながら撮影していないことを後悔しています。
それはともかく、実際には見たことのない車両であっても、写真と想像とで自分勝手気ままに再現出来るのもイラストならではの楽しい世界ですね。
(C) 2016 株式会社旭ノ本金属工業所