社長&スタッフブログ

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2013.08.31

晴れ時々ペチカ (ロシア企業視察の旅)

 さて、行って参りました。

その名も【ロシア日系企業視察の旅】!



今回も大阪府工業協会様に色々とお世話していただきまして、6月の末から7月の頭にかけて約1週間強ですが、異国の地ロシアを堪能してまいりました。

地理的にはロシアも立派な「お隣さん」なんですが、なぜかあまり馴染みが無いというか、我々日本人には【近くて遠い国】という感じがします。

実際、テレビなんかを見ていましても、ロシアが画面に映る機会って少ないと思いませんか?

私、ほとんどテレビでロシアの風景見たことないんですが・・。

ロシアと聞いて我々日本人が抱くイメージとはどんなものでしょうか。


 
おそらくですが・・・

・国民は全員気性の荒い人間ばかり。

・街はどんよりと薄暗い。旧ソビエト時代に建てられた赤レンガのボロボロの家がそのまま放置されている。見るべき歴史的建造物はほとんどない。

・凶悪事件が多発するデンジャーシティ。夜中の徘徊は厳禁。日本人とわかるといなやドルフ・ラングレンみたいな大男にど突かれて裸にされる。
 


・・スミマセン。言いすぎました。笑

でもこれ、ロシアに行く前の私の率直なイメージです。

皆さんはどうでしょうか?

大なり小なり程度の差はあるでしょうが、ロシアに対して良いイメージを持っている方はかなり少ないと思います。

今回、ロシアを視察して私が肌で感じたのは、ロシア人は日本という国をかなり好意的に見ているということでした。

シベリア抑留や北方領土問題などの政治的なネガティブイメージばかりが先行しすぎており、それがロシアの真実の姿をかき消しているのは間違いないです。




今回は、私がこの目で見てきたありのままのロシアの姿をウソ偽りなくお届けしたいと思います。

歴史的なことや政治的なことを書くと、そこから前に進まないと思いますので思いっきり割愛させていただきます。笑

もちろん、車やバイクのことはたくさん見てきましたのでそのあたりを重点的に惜しみなく書いていきたいと思います。(てか、ほとんどそれがメインなんですが・・)

ロシア見聞録はじまりはじまり~




【ロシア連邦】

人口は日本よりやや多く約1億4300万人。

国土は世界一広く、なんと日本の45倍という巨大さです。

首都はモスクワ。人口は約1100万人。

ロシア第二の都市はサンクトペテルブルクで人口約500万人です。

ロシア帝国時代はなんとサンクトペテルブルクが首都だったそうです。

ロシアの人口はウラル山脈より西側にほとんど8割方が集中しています。

シベリアあたりはインフラ整備も遅れがちだったようですが、近年になってロシア政府も東の方へ人が流れるような政策(インフラへの投資や補助金支給)を打ち出したため人口が徐々に増えてきており、ハバロフスクやウラジオストクでは現在ではどちらも5~60万人ほどの人が住んでいるとのことです。

(我が姫路市の人口と同じくらいです。)




ロシアの前身は1236年のモスクワ大公国からはじまりました。
それ以降、ロシアツァーリ国 → ロシア帝国 → ソビエト連邦社会主義共和国 → ロシア連邦(現在)と、国の体系が様々に変容してきました。
先ほど登場しましたサンクトペテルブルクですが、実はソ連時代には【レニングラード】という都市名で、さらにその前は【ペトログラード】という都市名でした。

歴史の変容と共に都市の名前も変化してきたのですが、これは近隣諸国との戦争や、ロシア国内の内戦などで情勢が常に不安定だったという歴史の証です。

【平和】や【安泰】というものは「戦争反対~!」などと旗を振り回しながらボケーッと立っていて得られるものではありません。多大な犠牲があってその上に成り立っているものです。だから尊い。




さて、私が知ってるロシア史における有名人は・・・ピョートル大帝、ロマノフ(王朝)、

イヴァン1世~、アレクサンドル1世~・・

こんなとこです。

歴史上の人物以外では・・フョードル・ドストエフスキー(小説家)、エメリヤーエンコ・ヒョードル(格闘家)、あとテトリス好きとしてはアレクセイ・パジトノフも欠かせません。笑

近代史におけるロシアのイメージは第一次大戦以降にドイツ相手にドンパチしながら土地の奪い合いを演じた血の気の多いイメージが強いです。




わが国とは大日本帝国時代に一度大きな戦争をしており(日露戦争)、第二次大戦後から現在に至るまでは依然として北方領土問題を抱えております。

ロシア側は話し合いでの解決に積極的な姿勢を示していますので、一刻も早く円満解決の方向に持って行きたいところです。

前置きはこのくらいで・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
では~まずロシアは寒いというイメージがありますが、実際はどうだったか。

たしかに冬になると平気で摂氏マイナスの気温になります。

今回訪問したサンクトペテルブルクでも冬になるとマイナス30度にまで気温が下がります。

しかし、今回訪問した期間は6月下旬から7月上旬。

ロシアではもっとも暖かい季節になります。




正直言いますと、滞在していた1週間・・・メチャクチャ暑かったです。

長袖なんか一枚も要らないくらいに暑かったです。

寒かったら凍えてしまう!と思って持ってきたユニクロのダウンジャケットですが、まったくもって必要ではありませんでした。

必要なさ過ぎて捨ててやろうかと思ったほど暑かったです。

この日中の暑さが夜になるとちょうどよい気温になるわけでして、極寒のイメージしかないロシアにおいては今が一番過ごしやすい季節だったのではないかと思います。
 
ハッキリわかったことはロシアにもちゃんとクーラーが存在するということです。笑


 

さて、ロシア人の生活全般についても書いておかなければなりません。

まずロシアでの平均給与はどのくらいか。

これは都市部と地方では若干差があります。

ロシア全土での平均月収は約25,000ルーブルです。

現在のレートでは×3をすれば日本円に換算できます。

つまり日本円で月収75,000円ほどになります。

これが首都のモスクワでは平均で約43,000ルーブルとなり、日本円に換算すると129,000円となります。

もちろんこれはあくまで『平均』であり、貧富の格差が存在するのもまた事実です。
 


物価は高いです。

正直言いますと、ほとんど日本と同じくらいの水準です。

もしかしたら日本より高いのではないでしょうか。

サンクトペテルブルクではケンタッキーフライドチキンに行きました。

小ぶりの骨付きチキン5個、Mサイズポテト、Lサイズコーラのセットで250ルーブルでした。

日本円に換算すると750円ほどします。

現地の所得水準からすれば相当高いように思うのですが・・。

そんな『高級』な店であるにもかかわらず若者の姿がかなり目立ちます。
 
またスーパーにも行きましたが、総じて値段が高いように感じました。

ペプシコーラは普通の350ml缶サイズで30ルーブル。

日本で安売りしている場合、5~60円で売っているようなところもあるのでやはり高いような気がします。




謎の『武士道コーヒー』ですが、これも下位グレードで400ルーブル。

高いですね。

消費税は日用品・生活必需品で14%。

それ以外の贅沢品は18%となります。

前述のケンタッキーでの消費税は18%でした。(外食だからかな?)
 
 

さすがエネルギー大国だけあって光熱費は激安です。

ほとんどお金がかかりません。




あと、アパート。

モスクワには『国営アパート』というのがあります。

わかりやすく言えば、これはソ連崩壊時に国が国民に対して与えた激安アパートです。

社会主義体制になったときに国が国民から土地や建物を奪い取ったことへの「お詫び」ということになるのでしょうか。

家賃は1LDKの大きさで月に3000ルーブル。

しかも電気や水道が壊れたらその修理費も国が全部を負担してくれるというオイシイ物件です。

他人に譲渡すれば莫大な税金がかかる&激安賃貸権が失効するようです。

ただし、親が死んで子が受け継ぐことはなんら問題がないので、親からの「財産」として受け継がれているのが現状のようです。

もちろん、モスクワ市民の全員がこのようなアパートを所有しているわけではありません。しかし、家賃に関してはピンキリですが、日本より低く抑えられるのは間違いないようです。

ちなみにモスクワ市内の土地はすべて国有地だそうです。

(個人、または企業は「国から借りている」というになります)
 

ここで、ロシアの街の風景とロシア人の気質について見ていきましょう。










写真を見ていただければお分かりになると思いますが、非常に活気に満ち溢れています。

冗談抜きでロシアのイメージが一気に変わりました。

今回、モスクワ、ヤロスラブリ、サンクトペテルブルクと主要都市を視察したわけですがどの都市に行っても、想像していたような赤レンガのボロい建物などはほとんどありませんでした。

しかもどこに行ってもゴミがほとんどありません。

それどころか街全体のスキのない造りこみ、完成度に圧倒されまくりでした。

建物ひとつひとつの造形が無駄にカッコイイ・・!

 
 




街のいたるところで見られる騎士の彫刻や建物に施されたレリーフなど、さすが一時代を築いた大国だけあって今もその威厳は色褪せず現代に残されています。

モダンと伝統の融合においてはさすがとしか言いようがありません。

正直、下手なヨーロッパに行くより断然ロシアのほうがいいと思いました。

また街以外にも、大聖堂や美術館など歴史と直に触れ合う場もたくさんあります。

ロシア、ちょっとナメてました。

おそロシア・・!




そしてロシア人について。

実はこれも私は大きな誤解をしていたようです。

前述しましたとおり、ロシア訪問前の私の中での「ロシア人観」はとんでもないものでした。

粗暴、凶悪、ケンカ最強・・。

日本人が一人で街を歩いていると必ず追いはぎに遭うと思っていましたし、なるべく目をあわさないようにしようと心がけていました。

 
しかし、実際に触れ合ったロシア人を色々と思い返してみると、真っ先に浮かぶことが・・

 
実はかなり「親切」だったというです。

 
これはかなり意外に思う方が多いのではないかと思いますが事実です。

愛想のなさはたしかに散見されましたが、それでも言うほどヒドくはありません。

日本人でも愛想のない人間はたくさんいますし・・本当にそんなレベルです。




薄暗いローカルなレストランに行ったときも白熊みたいな従業員が丁寧にトイレまで案内してくれましたし、スーパーマーケットに行ったときも買ったものを入れる袋がわからずうろたえていたら後ろで待っていたロシア人が自分の代わりに袋を取ってくれたりしました。

また、他の方はおみやげ屋さんで間違った(少ない)つり銭を受け取りそれにまったく気づかず店を出ようとしたらしんですが、直前で呼び止められて足らずのつり銭を渡されたということらしいです。

他にもそういった「意外」な場面に出くわしましたが、そのたびに自分の中でのロシアのイメージが間違っていたと痛感いたしました。




素朴な疑問・・ロシア人は日本人をどのように見ているのか。

実は現地駐在員の方や、ガイドさんのお話を聞いたところ、ロシア人というのは日本人をかなり【リスペクト】しているとのことです。

さすがに嘘ではないかと疑っていたんですが、どうやら本当のようです。

街にあふれる「日本車の多さ」が何よりの証拠です。

あと、全般的にロシア人は日本製のモノに関してはかなりの信頼を置いているとのこと。

ガイドさんの話が本当かどうかはわかりませんが、ロシア製の物と日本製の物があれば、日本製の物を選ぶ人が多いでしょうとのこと。

(家電か自動車かそのあたりはよくわかりませんが・・)

やはり日本(人)のイメージとしては

『ハイテク』

『高性能』

『勤勉』

『マナーが良い』

・・おおむねこんな感じのようです。

コレは素直にうれしいですね。

私はてっきりロシア人というのは日本人を見つけたらカツアゲするのかとばかり思っていました。

ええ、全然違いました。すみません。笑

あと、日本食も密かなブームだそうです。

モスクワやサンクトでは寿司(もどき)のレストランを何件か見ました。

あと、小売店で見たのは日本の調味料です。

日本からの輸入品だと思いますが、日本で売ってる外装のまま売られていました。

どういう料理にどう使うのかは興味がありますね。




さて、この写真。

サンクトペテルブルクで撮った写真なんですが、日本ではまずあり得ない光景なんです。

何がかと言いますと、実はコレ・・・夜10時の写真です。

そうです。

6月下旬といえばロシアでは百夜なんです。

陽が沈むのが夜の11時くらいで3、4時間後の午前3時頃にはすでに空が明るいという怪現象が発生しておりました。笑

基本的にレストランやクラブなど若者が集まる店は朝まで営業しており、大変にぎやかです。

我々も負けじと明け方まで頑張りました(笑)




本旅で特にお世話になった春山さん(中)と井上さん(右)と中坪さん(写真撮影・・)

ありがとうございました!また海外視察ご一緒できればいいですね。




ではでは、お待ちかね。

街行く原動機のコーナー。

まずロシアでの自動車事情について概要を少しお話しておきたいと思います。

2013年現在、ロシアの年間自動車販売台数は約300万台・・をやや超えるあたりです。

ロシアの消費動向は原油・エネルギーの販売価格によってかなり影響を受けやすいと聞きます。

実際に、リーマンショック前には異常なほどの伸びを見せた自動車販売台数ですが、リーマンショック後の2009年には前年度の1/10に転がり落ちたというデータもあり、非常に乱高下が激しい市場でもあります。

自動車メーカーの方いわく、2014年のロシアのマーケット動向はズバリ「わからない」とのことです。

ロシアでの外国車メーカーのシェアは約74%。




ロシアでもっとも有名なローカルブランドといえばアフトワズ社が展開するLADA(ラーダ)です。

このアフトワズのLADAを含め、大小のロシアローカルメーカーが20年以上前には50%以上のシェアを占めていたんですが、現在は20%ほどまでシェアを落としています。

ちなみにこのアフトワズですが、2012年12月にルノー・日産の傘下にはいりました。

外国車のシェアをもっと詳しく書きますと・・

LADAの次にシェアが大きいのが韓国ヒュンダイで約5.6%。

日系の主なメーカーですと、トヨタ約5.1%。日産約5.0%となります。

シェアだけを見ますとバカなマスコミがよく言う韓国車の勢いが云々~というようなことを思われてしまうかもしれませんが、金額ベースで比べれば上級セグメントまで網羅している日系メーカーのほうがダントツで勝っています。

他の外国メーカーで特によく見たのがオペル、フォルクスワーゲン、フォード、ルノー、キア、でしょうか。









他にも日系ではホンダ、マツダ、スバル、意外にもスズキが健闘していたように思います。






日本の中古車はかなり多いです。






高級車では日系のレクサスを筆頭に、ベンツ、BMW、インフィニティとかなりの数が走っていました。




少数派はポルシェやジャガー、アストンマーチン等、多彩なラインナップを目撃。

1台だけですが、ランボルギーニのガヤルドも見ました。

ちなみにどんな車種にかかわらず、ロシアで一番人気のボディカラーはお分かりになりますか?




答えは【黒】です。

理由は『太陽光を吸収して車内が暖かくなるから』だそうです。

ガソリンは1リッターあたり約30ルーブル。

日本円で100円弱となります。




モスクワで見たガソリンスタンド【ウンコオイル】・・・。

さて、ここでロシアの変わった交通ルールをご紹介。

まず、街の車を見て気づいたのが、どの車も昼間なのにライトをつけている点です。

ロシアでは車を走らす際には必ずヘッドライトをつけなければならないそうです。

つけていなと罰金です。

安全のためでしょうか。

手動でつけているのか、イグニッションONで自動的に点灯する仕様になっているのかは不明です。

あと、事故です。

ロシアでは事故を起こした際に警察を呼ぶのですが、なんと警察が現場に到着するまで車やバイク等の【事故車】を動かしてはならない法律があるそうです。

動かすとこれまた罰金。

これが実は渋滞の一因にもなっています。

どんな街中でも警察が来るまでひたすら放置ですから正直、かなり迷惑だと思います。

しかも、警察署の近くで事故を起こした場合はすぐに駆けつけてくれますが、警察署から距離が離れている場合はひたすら待たなければなりません。

下手すると2時間待ちとかもあるようです。

これ、今の季節ならいいんですが、真冬の極寒だとどう対処するんでしょ。

警察来るまでに凍死する可能性もないような気がしますが・・。




続きましてバイクです。

ロシアを訪問する前は「寒いところにバイクの市場なんかあるわけないか・・」と半ば、バイクに関しては【諦めモード】だったんですが、いえいえ!とんでもない!

ロシアにもたくさんのバイクが走っていました。

これもかなり想定外の光景でした。

今回、ロシアのバイク事情に関しては詳しい情報は得られませんでしたので、詳細なデータはございません。

あくまで私の見聞のみでございます。














ビッグスクーター、ネイキッド、モタード(オフロード)、デュアルパーパス、アメリカンクルーザー、そしてスーパースポーツ・・等々かなり多彩な車種が活躍していました。

シティコミューターとしては小型のスクーター(多分125cc前後)も活躍しているようです。

もちろん日本製バイクが圧倒的です。体感9割は日本製でした。(海外勢はBMW、ハーレーダビッドソン、ドゥカティ・・とひととおり走っていました)







日本から中古車として輸入されたであろう「お下がりバイク」もチラホラ見ました。

ロシアにおいてはバイクは「アシ」というより、完全に「趣味」の要素が強いようです。

基本的にはカスタムしたバイクが多かったです。

しかも荒ぶるバイカーが多いようで、サンクトペテルブルクのイタリアンレストランでまったりくつろいでいた時も、目の前にある6車線の国道には爆音マフラーを換装したスーパースポーツがやたらめったら走っていました。




完全に【走り】に振ったバリバリのカスタム車両も見ましたし、街を走るバイクの台数、車種の多さ、バイクに対する考え方などは日本におけるバイク事情とかなり似ているような印象を受けました。



アメリカンクルーザーにおいては、やはりハーレーダビッドソンが多いのですが、日本市場のようにそこまでハーレー一辺倒ではありませんでした。








ヤマハのSTARシリーズ(ロードスター、レイダー)、ホンダ スティード、シャドウ、スズキのイントルーダー、M109、カワサキのバルカン1500などなど、お膝元の日本ではあまり見ることがないメトリッククルーザーがかなり走っていました。

ヤマハのウォーリアに乗っている私としては大変にうれしい光景でございます。

ちなみに純ロシア製のバイクといえば【ウラル】ですが・・・ロシアでは一台も見ませんでした。




最初にも書きましたが、今のロシアは気温がかなり高いです。

日本の気温を5℃引いたくらいの気温です。

バイクで走るにはかなり心地よい気温であることは間違いありません。

ただ、1年をとおして乗れるシーズンはかなり限定されるとは思います。

ロシアにおけるバイク市場の拡大は、新興国のような所得云々という次元での話ではなくもう一歩先の【新規ユーザーの開拓】【既存ユーザーの囲い込み】が課題となってくるのではないでしょうか。

さて、最後に今回訪問させていただいた現地の日系自動車メーカー様のお話で驚愕したことがありましたので、それをお話したいと思います。

現地工場では【X】(仮名)という車種を製造しています。

この【X】は、もちろん日本でも製造しており現役車種であります。

ロシアで製造しているこの【X】はエンジンを含め部品の約3割を現地調達、残りの部品を日本やヨーロッパから輸入して組み立てているという、いわゆるノックダウン生産の自動車です。

日本では200万円で買えるこの【X】(純日本製)ですが、現地ノックダウン生産の【X】はロシアの地ではいくらで販売されていると思いますか?

なんと100万ルーブル・・・日本円で約300万円です。

そう、純日本製ではない【X】ですが、日本で売っている価格より高いのです。

ビックリしました。

とっさに「そんな価格で出して売れるんですか?」と訊いてしまいました。

マネージャーの方は即答で「ハイ。売れます」との答え。

価格競争率は非常に高いとのことです。

これはその車種に限ったことではなく、日系メーカーの車種全般に言えることのなのだそうです。

日系メーカーが作る車種はそれだけ絶大なる信頼を得ているということです。

思い起こせば4年前・・私は日本から遠く離れたドバイの地で体感シェア7割が日本車という光景を目の当たりにしました。

灼熱のアラブ・・自動車の故障は「死」に繋がります。

ロシアもまた同じです。

マイナス30℃の広大な土地で車が故障すれば・・生身の人間は死にます。

死なないにしろ命にかかわります。

極限の地において何に価値を見出すか・・ロシアとアラブ、対極の極地で日本車が支持されているという現実はある意味でもっとも価値のある【名誉】と言っても過言ではありません。

ロシア人さん、これからも日本車を御贔屓に。




さて、ロシア見聞録いかがだったでしょうか。

ほんのちょっとロシアに対するイメージは変わったのではないでしょうか?

ヨーロッパと北米の良いとこ取りという感じで、旧共産圏の薄暗い雰囲気はまるで感じられなかったです。

行く前の印象と行った後での感想のギャップで言えば、歴代行った国の中ではダントツで良かったです。

しかし、我々日本人のロシア観がなぜにこうも悪いのか、色々考えた結果・・・




やっぱり『ロッキー4』の影響なんじゃ・・と思ったのは私だけでしょうか。

物事は噂やイメージだけで判断するのではなく、自分の目で直に確かめることがなにより大切だということを改めて感じた次第です。

機会があれば日本の中古車が幅を利かせているハバロフスクやウラジオストクなどロシア極東地域にも行きたいと思います。

これにて、ロシア見聞録終焉です。

ご清聴ありがとうございました!




モスクワ 赤の広場クレムリンにて。(『クレムリン』とは特定の建物を意味するのではなく『城塞』という意味だそうです。
撮影―㈱マエガワモールド 前川さん Thankyou!)

2013.08.21

夜明けのインディア 後編

 いや~・・・

スミマセン(笑)

実は仕事のトラブルでブログどころではなかったというのが言い訳です。

もうこのまま後編が立ち消えになるのではないかというくらいに、それどころではなかったです。

そんなことを言っている間に、実は6月の末から7月にかけてこれまた大阪府工業協会様企画の【ロシア日系企業視察】に行ってきました。

本当に大忙しです。

もちろんインド編の次はロシア編が控えているわけで.... 簡潔ですみませんが、とりあえずインド編最終回です。




さて、インドのバイク事情ですね。 それに絡めて、前編、中編では書けなかったこともまとめて書いていきたいと思います。

中間層が爆発的に増え、自動車の数が増えつつあるといっても、やはりインドの町で見かけるのは車よりバイクの数が圧倒的に多いです。

悪路が多い広大な土地を自転車で移動するのはさすがに距離的、体力的に限界があります。

自動車は年収の何倍もするからとてもじゃないけど手が出ません。

電車はいつ何時、駅に到着するかわかりません。




なので、インド人が最初に目標とするのが【バイク】です。

途上国で『バイク』といえばだいたい100cc前後のタイプをさします。(50ccは日本以外ではまったく見ません。)

これがインドではだいたい7万円くらいします。

現地一般ワーカーの所得から算出しますと、おおまかですが、給料の6か月分に相当します。

おいそれと手が出るものではありませんので、もちろん月賦でバイクを買うわけです。つまりローンです。

バイクを手に入れたら、より給料のいい所へ、より遠くまで足を伸ばすことができます。 豊かになるための第一歩はバイクから始まるということですね。




さて、インドのバイク事情をもう少し視野を広げて見てみましょう。

そもそもインドにはアシ用のバイク以外存在するのか・・と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際のところどうなんでしょう。

実は、インドにもまだまだ小さいですが、『アシ以上』のバイク市場というものはちゃんと存在します。

例えば、今回訪問させていただきましたホンダ様を例に出してみますと・・

ラインナップとしては110cc、125cc、150cc、250ccという4種類の排気量を生産しています。

メインで製造しているのは110ccと125ccになります。

趣味的要素が濃いラインはというとやはり150cc以上。 【CBR150R】が約18万円、【CBR250R】が約23万円だそうです。
 
ちなみにCBR250Rの生産台数は年間通しても約1万台ということです。 これはホンダのインド工場での全生産台数の内の0.5%以下という数字です。 市場としてはまだまだ未成熟といえ
ます。

そしてそのCBR250Rとは少し趣が違いますが同じカテゴリーとして競合するのが、【ロイヤルエンフィールド】です。

さすが、生まれ故郷だけあってインドではそこそこの数を目撃しました。

インドでは(というか、世界共通?)300ccと500ccのラインナップがあります。

インドの街を俳諧している時に、小型二輪とは一味違う歯切れのよいサウンドが聞こえたならばそれはまさにエンフィールドといって間違いないでしょう。

日本では珍車扱いでほとんど見ることはありませんが・・なかなかイイ味出していました。 価格帯はホンダCBR250Rと同価格~それ以上と高めとなります。

さすがにロイヤルエンフィールドともなるとボコボコの状態で乗っている人はほぼ皆無で、小奇麗な装いの小金持ち風なライダーが多いように感じました。

ではさらに「上」の超高額バイクはどうでしょう。




実は本視察でダイキン工業㈱様に訪問するその道中で、ハーレーダビッドソンのロゴがデカデカと書かれた巨大な倉庫らしき建物を発見しました。

「おお!!こんなところにハーレーが・・!(笑)」 ハーレーダビッドソンといえば泣く子も黙る高級バイクの代名詞です。

至ってローテクなV型二気筒のエンジンから放たれる独特の排気音と荒削りなエンジンの鼓動感に魅了されるファンは世界中に存在します。

しかし・・・日本でも100万円以上するようなリッチなバイクがインドで走っているんでしょうか。

私がいる間はインドでハーレーは1度も見ませんでした。

しかし、インドにもハーレーはあるんですね。 例えば日本でもおなじみの【スポーツスター】なんかはすでにインド国内で組み立てされています。

この現地組み立て方式は、完成品を本国アメリカから輸入した場合に比べ、関税を30%~40%低く抑えられるようでして、ハーレー社は今後もインド現地組み立ての車種を増やしていくとのこと。

今後は周辺の途上国などにもインド製(組み立て)ハーレーが輸出されていくのでしょう。

近い将来、インド製ハーレーが日本市場にやってくるかもしれません。(それはそれでなんか違う気がしますが・・)




ちなみにインドにおける大型二輪(750cc以上)の市場はまだまだ未熟で、販売台数も2012年の4月~9月期を見ましたら805台と、人口比率からすればとても小さなものです。

しかし、先にも言いましたとおり成長率がもの凄く、2012年の伸び率は前年比77%という驚異的なものです。

これから先、成長率はうなぎのぼりになるのは言うまでもありません。

この市場拡大に乗り遅れまいと、前述のハーレーしかり、日本のメーカー、ドイツ(BMW)、イタリア(ドカティ)と、次々にインド市場に本腰を入れつつあります。

また、イギリスのトライアンフも活性化するインド市場を取り込もうと人気車種の【ボンネビル】を販売する計画だそうです。

 
ちなみに日本で売られている【CBR250R】はタイ製で、それに比べるとインド版の価格はタイ製の半額以下です。

これがいわゆる『インド仕様』というもので、二輪や自動車で共通していえることなのです。

例えば、樹脂やゴム系の部品においてはコストダウンを図るために品質を厳しく管理していません。 真冬でも0℃を下回ることがないインドでは対候設計を日本より「ユルめ」に設定して製造しています。

わかりやすく言えば、日本仕様では「-40℃~100℃」という幅広い温度帯に耐えたれるように設計されているパーツを、インド仕様においては「0℃~100℃」で設計されているということです。

こういった「現地にあわせた仕様」が商品単体のあらゆるところにちりばめられ、コストダウンにつながっているのです。

そりゃもちろん、見た目が日本のものとまったく同じ車種であっても・・断然日本製よりかは品質は劣ります。

しかし、途上国の人にとって車の故障は日常茶飯事。

壊れたら自分で直すのが基本です。

ちょっとした故障などあまり気にしないのがインド人です。




2012年の日本国内の自動車販売台数は536万台(軽自動車含む)でした。 一方、二輪の新車販売台数は250cc以下のすべての区分を併せても40万台弱という数字です。

単価においては圧倒的な価格の差があるのにも関わらずです。

この数字を見るだけでも、ここ日本においては単なるアシ用として二輪を買う人などほとんど限定的だといわざるを得ません。

先進国において自動車は価格的に【高嶺の花】ではないですし、安全性、積載性、身体的負担を考えても自動車1台を買ったほうがよほど実用的です。




「バイクが趣味だ」といえる人というのは世界広しといえども実はとても少数派。 先進国の、しかも限定された人といっても過言ではありません。

逆に言えば、それ以外の人はほとんどすべて「バイク=移動用のアシ」という人たちになります。 ここの層をいかに攻めていくかで、市場のパワーバランスが決まるといっても過言ではありません。

やがてその国の人々がアシ用バイクから趣味的バイクに移行したとき、過去の結果がいきてくるでしょう。

「俺は昔からこのメーカーのバイクが好きなんだ」と。

インド人の傾向として、実は車にしろバイクにしろ最新のモデルに飛びつくという例は一般的ではなく、5年・10年と安定して人気がある車種を選ぶ傾向にあるそうです。

ここがインド市場を攻める上で非常に難しいところで、1年や2年の短期間ではなかなか現地のニーズに合っているかどうかという判断がしづらいということです。

『安くて高品質だがブランド力が弱い』と言われる日本のメーカーはこのインド市場の特性をよく理解した上で、安定したブランド力を確立していかなければなりません。

その代わり、一度育った芽は確実に大きくなります。 インド人のように焦らずゆっくりと育てることが重要です。


 
さて、いかがだったでしょうか?インド視察記。

インドは歴史が古く、その長い歴史のなかで形成され昇華してきた独自の文化・習慣が現代においても根強く残っています。

それが良いことに働くこともあれば、負のほうへ引っ張られていくこともあり、これがインドにおける【諸刃の剣】になっていることは間違いありません。

インドが先進的な国を目指すのであれば、負の部分については一つ一つ変えていかなければなりません。 それらを実行し、変えていくのは他の誰でもないインドに住む人々です。

あらゆる課題をすべて克服した時、インドの夜明けは今より一層輝きを増すことになるでしょう。

以上、イッセイのインド見聞録、これにて終焉です。

ご清聴ありがとうございました。


 
 
タージマハルにて。
 
次回はロシア視察記です。
8月中にアップすることをお約束します(笑)
 
 
 
 
イッセイ
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